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【コラム】V・プレミアリーグ女子~ファイナル6展望~

V・レギュラーラウンドの戦いを終え、いよいよ2月10日からはV・ファイナルラウンド ファイナル6へと突入する。V・レギュラーラウンドは21戦全勝と圧倒的な力で久光製薬スプリングスが首位を独走、ファイナル6でもどこまで連勝を伸ばすのかが一つの注目ではある。しかし、V・レギュラーラウンドの順位によってポイントが加算されるとはいえ、2位のJTマーヴェラスとはわずか1ポイント、3位のトヨタ車体クインシーズとは2ポイントとその差はわずか。4位以下のチームも上位陣に対して立て続けに勝利することができれば下剋上も十分に可能。これまでと同様、負けられない戦いであるのは変わりない。だが、レギュラーラウンド以上に1勝、1ポイントの重さが響くファイナル6。ファイナル3、ファイナルへと勝ち進むチームはどこか。その行方を占ううえでも、最も注目したいのが初戦、6チームが勢ぞろいする10日の開幕戦だ。

ファイナル6のオープニングゲームは久光製薬とトヨタ車体が対戦。V・レギュラーラウンドでは久光製薬が全勝で制しているが、3レグはフルセットでの辛勝と、トヨタ車体の勝機も十分にある。お互いに、まずサーブで狙い通りの展開に持ち込めるか。そして、崩そうとする相手のサーブに対してサーブレシーブからサイドアウトを取り切れるか、が大きなポイントとなる。V・レギュラーラウンドでも見せたように、久光製薬の武器は新鍋理沙、石井優希、戸江真奈・筒井さやかのリベロを中心にした手堅いサーブレシーブから、ミドルブロッカーのアキンラデウォ, フォルケやサイド陣が絡みサイドアウトを確実に制する正確性である。中でも酒井新悟監督が「サーブレシーブが生命線」と言うように、レセプションに対する意識は高く、相手が攻撃を封じるべくターゲットや狙うエリアを変えてきても、さらにその上を行く対応力を見せる。



対するトヨタ車体も荒木絵里香、ネリマン,ゲンシュレックといった強力な攻撃陣を擁し、多少レセプションが乱れても決めきる力がある。セッターの比金桃子も司令塔として2シーズン目を迎え、昨年末の皇后杯全日本選手権を制して自信もつけている。互いの長所を生かし、相手の長所を封じる。高いレベルでの戦術のぶつかり合い、オープニングマッチから注目の一戦となりそうだ。



2戦目はV・レギュラーラウンド2位のJTと6位の東レアローズが対戦。今シーズンはJTが3勝、全ての試合で3ポイントを獲得しており、これまでの対戦成績からもJTが有利なように見える。だが、逆に東レは失うものがないため、思いきりぶつかることができるだけでなく、これまでとは異なる大胆な策に打って出ることも十分に考えられる。今シーズンのV・プレミアリーグの中で最も平均年齢が低い東レは、若さゆえに連敗を喫することもあったものの、波に乗れば手が付けることができない圧倒的な爆発力を発揮した。昨シーズンからレギュラーに定着したサウスポーの堀川真理の攻撃力に加え、スーパールーキーの黒後愛がサーブで狙われながらも踏ん張り、攻守に渡って活躍を見せている。サーブには自信を持って臨んできているだけに、相手のサイドアウトをどれだけ切れるかが1つのポイントとなりそうだ。



一方のJTもレギュラーラウンドを2位で終えたとはいえ、決して楽な戦いだったわけではない。相次ぐ故障者に見舞われ、ギリギリの人数で戦いながら、それぞれが果たすべき役割を再認識、ミハイロヴィッチ, ブランキツァという大エースを擁するものの、1人だけに頼るのではなく昨シーズンと同様に全員で攻め全員で守るスタイルは健在だ。苦しい状況に打ち勝ってきた両チームがぶつかり合う。どちらのチーム力が上回り、勝者となるのか注目したい。



V・レギュラーラウンドの最終節まで順位が確定せず、ギリギリでファイナル6進出を果たした昨年の覇者、NECレッドロケッツ。日本人選手だけで戦い、個々のレベルアップとチーム力向上を掲げて取り組んできたが、開幕戦では久光製薬に完敗するなど、エースの古賀紗理那も「今までのシーズン以上に苦しいことが多かった」と振り返る。メンバーを固定するのではなく、その時にベストの布陣を組むことを山田晃豊監督も明言しており、その言葉通り、これまでさまざまな選手を起用。ファイナル6ではどんなメンバーがコートに立つのかも注目だ。



対するデンソーエアリービーズは、V・プレミアリーグ復帰を果たして、川北元監督が新指揮官に就任した最初のシーズンでファイナル6進出を果たした。勝てそうで勝てなかった試合もあり、連敗もあったが、若い選手が多く出場する中、著しい成長を見せたのがウィングスパイカーの鍋谷友里枝。攻撃面では各チームの外国籍選手が打数の大半を担う中、堂々と渡り合う数字を残し、守備面でも献身的なプレーでチームに貢献し、チームに不可欠な選手へと進化を遂げた。共に「誰が出ても勝てるチーム」を目指す2チームの戦いを制するのはどちらか。楽しみな戦いとなりそうだ。



開幕戦がすべてではなく、勝っても負けても1試合と見る人もいるかもしれない。だが、かつてV・レギュラーラウンドを圧倒的な力で制しながらもファイナル6で苦戦を強いられたチームの多くが、開幕戦の結果によって崩れたり、調子を狂わせたりしたということも現実としてある。いよいよ始まる、頂上決戦へのカウントダウン。その火ぶたが切って落とされる開幕戦は必見だ。