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【コラム】準優勝レクソナの戦いぶりと日本チームの課題と指標~FIVB世界クラブ女子2017振り返り~



5月9日から14日までグリーンアリーナ神戸で開催された世界クラブ選手権は、予選リーグから負けなしで勝ち進んだトルコのワクフバンク・イスタンブールが、決勝でもブラジルのレクソナをセットカウント3-0で下し、全勝優勝を果たした。ワクフバンクは、スタメンにリオデジャネイロ五輪金メダルの中国のエース朱婷(シュ・テイ)や、銅メダルのアメリカのエース、キンバリー・ヒルといった各国の代表選手をずらりと揃えたスター軍団で、リベロを除くスタメンの平均身長が192.7cmという高さを誇る。その高さを活かした攻撃だけでなく、サーブの精度も高く、ブロックとディフェンスも組織立っており、他チームを寄せ付けなかった。


世界のタレントが集まるワクフバンクは前評判通りの強さで優勝を飾った

日本から出場したNECレッドロケッツと久光製薬スプリングスは海外勢から勝利を挙げることができず、最終日の直接対決でNECが勝利し、NECが7位、久光製薬が8位で大会を終えた。日本チームは海外の選手の、高い打点から打ち下ろされる変化の大きいサーブに苦しんだ。ミドルブロッカーとウイングスパイカーを絡めた時間差攻撃など機動力を活かした攻撃を使えている時は接戦に持ち込めたが、サーブレシーブを崩される場面が多く、そうした攻撃がなかなか使えなかった。

久光製薬の石井優希は、「絡みの攻撃はすごく決まっていたので、そういう攻撃を使うためにもっと正確な返球を増やさないといけないし、逆にこちらがサーブをもっともっと攻めていかないと」と課題を語った。サーブレシーブの精度を上げるとともに、少々返球が乱れても攻撃の選択肢を減らさないことが重要だ。その点、NECはミドルブロッカーが積極的に攻撃参加するスタイルに手応えも得た。主将の島村春世は、「相手のブロックはいくら高くても3枚以上はいないわけだから、常に4人が攻撃をしかけられたら4対3でこちらが有利。その上で、個々がヒットもできるしフェイントもできる、というふうに、とにかくこちらの手数を増やすことが大事だと感じた」と語った。


ベストセッター賞に輝いた山口かなめはミドルの島村と大野果奈を軸に攻撃を組み立てた


3位になったスイスのボレロ・チューリヒやエジザジュバシュ・イスタンブール、ロシアのディナモ・モスクワといったワクフバンクに引けを取らない高さを誇るチームが揃う中、2位と健闘したのがブラジルのレクソナだ。ヨーロッパ勢に比べると身長では大きく劣るが、狙いすましたサーブで崩し、堅いブロックとディグで高さのあるディナモやボレロの攻撃を封じ、そこから相手ブロックを利用して得点を奪い、決勝に進出した。その攻守の中心はウイングスパイカーのガブリエラ・ギマラエス。176cmと日本人スパイカーと変わらない身長だが、高いブロックを相手に次々にブロックアウトを奪って得点を重ね、朱婷(シュ・テイ)とともにベストアウトサイドスパイカーに選ばれた。「身長の低い選手が長身選手に対してやるべきことは、頭を使ったプレーと、ミスを減らすこと。その場その場で相手を困らせるプレーを考え、そして自信を持ってプレーすることが大事」とギマラエスは言う。


高さある相手をスマートなプレーとテクニックで制し、個人賞にも選ばれたギマラエス

北京、ロンドン五輪金メダリストのリベロ、ファビアナ・オリベイラも、「身長もクオリティも高いチームと戦う時には、とにかく自分たちのミスを少なくすることが一番。そして、サーブで崩し、システムやスピードを活かすことが必要」だと語った。レクソナの戦いぶりは、日本チームが世界と戦う上での指標になったのではないだろうか。


レクソナはディフェンスでは粘り、攻撃ではあの手この手で相手の裏をかいた

写真:FIVB